Secret Cats



そおっとその現場を覗き込んだ



するとそこには三対一で喧嘩をしている男達がいた



人数的には三人いる方がどう考えたって優勢なのに



あたしが見ているこの現場ではどっからどう見ても一人の方が優勢だった





「ドゴッ」


「う"」



「ドゴッ」


「う"」





痛々しくて見ていていい気分にはならなかった



けど体が固まってあたしはその場から動けなかった





「おいっ、逃げるぞ」





負けている側の一人が恐怖混じりの声で呟く



そして痛々しい体を引きずりながらその場を去った



他の二人もそいつに続いて逃げ出す



すれ違ったのに三人ともあたしのことは気付かなかった



でもあたしは見てしまった



ヤバいくらい怪我している三人のうち一人だけ顔の原型が無くなるくらい腫れていることを