降りるとそこには薄暗いでも清潔感のある建物が建っていた
新しいわけでも古いわけでもない
とにかく存在感はかなりのものだった
ただ気になるのはハンパない程あるバイクの数
「あの…ここはいったい何なんでしょう?」
あたしの質問にふっと微笑んだ中城さん
楽しんでるのか企んでんだかわからない笑顔だった
「ここはねー“黒猫”のたまり場だよ」
「黒猫!?」
「そう“黒猫”」
そう言われてあたしは黒猫がいっぱいいる建物を想像した
その脇で中城さんがまたふっと笑い出す
「とりあえず中に入ろっか」
これを合図として前に進み出る中城さんの後ろをついて行った

