「リュウ」
赤信号になりバイク音が消えた頃合いにぽつりと声が出た
それに対してリュウは無反応
だけどどうしても話しかけたくて
話しかけたらまたいつもの様に返してくれる感じがしたから
「瀬菜が言ってたんだ。“リュウを頼む”って。ねえ、あれ、どういう意味?」
「……」
「……」
「……」
あたしが待ってればちゃんと答えてくれるんじゃないかと考えていたけど、耳から聞こえるのはリュウの声ではなくすれ違う度に聞こえてくる車とかバイクのエンジン音
それらがあたしの胸を更にぎゅっと締め付ける
「何か言ってよ…」
「……」
「おい、リュ」
そのちょうどいいタイミングで今度は信号が青に変わった
リュウは雰囲気何一つ変えず再びバイクを運転し始める

