「はい」
有難いことに、電話を取ったのは母親。
「俺だけど」
意外な電話の主に母親はひどく驚いているようだった。
「何かあったの?」
「何かあったのじゃねーよ。あれだけ口止めしてたのに女に俺の住所教えたろ?」
しばらくの沈黙の後、思い出したかのように話し出す。
「あぁ、浩子ちゃん?何か学校のお友達のトラブルで連絡先が知りたいって言うから・・携帯かけたらって断ってたんだけど、それじゃ解決できない事だからって毎日・・」
「で、ついでに俺へのプレゼントを言付けたってことか」
「え?お母さん何も渡してないわよ。住所を書いたメモを渡しただけよ」
何だって・・・?

