もう一度 君に会えたら

「瑶?」


俺は立ち止まり、自分のローファーの先を見つめた瑶の肩に手を置いた。


「さっきの人・・・」


「だから、何でもねーって」


瑶は頭を左右に振る。疑ってるんじゃないの、というように。


「すごく冷たい目で見てた」


「え・・・?」


「充と彼女を追い抜いたとき、すごく冷たい目で・・怖かった」


大粒の涙が溢れるように瑶の頬を流れ落ちる。


それは、瑶の心の奥から流れ出る不安や疑念や恐怖が入り混じったものだと思った。