もう一度 君に会えたら

「彼女―?」

「そう。これから会うから、お前そろそろ帰んない?」

「酷いねー。昔の友達より彼女かー、羨ましい」

意外にも笑顔で浩子はそう言った。

やはりこの前の事は吹っ切れたんだ。良かった。

「帰りのバスもなくなっちゃうし、帰るわ」

そう言って立ち上がる。

俺はその言葉を確認すると、瑶にメールを打った。


【歩き?気をつけて】


短い文章。

その8文字を打ち込む間、俺は浩子の視線に気が付かずにいた。