「えー、陸斗とデートじゃねーの？」


亮は不思議そうな顔で理衣を見る。


陸斗も何事かと理衣を見つめていた。


「あ、今日からママが海外出張でね。私、ゴハン作れないし寂しいから泊まりにおいでーって瑶を呼んであんの。陸斗を呼んでも飢え死にしちゃうからね」


そう言うと理衣はイタズラっ子のように舌を出して笑った。


陸斗の話によると、瑶と呼ばれている子は理衣の親友で同じ高校の進学クラスに在籍してるらしい。


今まで会った事がないのは、俺達の普通科とは別のカリキュラムの為時間が合わないから。


確かに前の学校も補講やら何やらで朝から晩まで教室に軟禁状態だったしね、なんとなく瑶という子の立場も分かる気がする。


「俺も行っていいのー？」


「もちろん」


別に会ってみたい訳じゃないけど、乗り気になった俺を見て理衣は顔中を笑顔にして答えた。