301号室は個室のようだった。 広い廊下の壁に貼られたプレートに「大久保 瑶 Dr:佐藤」の文字を見つける。 開かれた扉から中を覗くと、いきなり瑶と目が合った。 「ミツ!」 俺も驚いたが、瑶はもっと驚いてるようだった。 もともと大きな目をさらに見開いたもんだから、目の玉落ちるんじゃないかって焦ったくらい。 「よっ」 俺は、公園で作り上げたジャンクな花束を上にかざし笑いながら病室に入る。