もう一度 君に会えたら

病院まではバイクで十分とかからなかった。

病院にまだいるかも分らない瑶と入れ違わないように、俺たちは病院の正面玄関脇にバイクを停めた。

二重の自動ドアを抜けると、エアコンで冷やされた空気が肌をすり抜ける。

病院特有の薬品や消毒液の臭いがなければ快適な空間なのに。

そんな事を考えながら、外来の待合室を見渡した。

受付に向かって何列にも並べられたイス。

老人や子供が大半を占めていた。


「診療科によって待つ場所って違わねーの?」


長く伸びた廊下の上に取り付けられた、診療科を振り分けた看板の矢印を見てタケがつぶやく。