不意をつかれた着信に、俺は思わず携帯を落としそうになる。 液晶のディスプレーには期待していた名前ではなく、タケの2文字が点滅していた。 「おぉ、なに?」 「あ、オマエ今どこ?」 「がっこー」 「マジ?俺、今オマエの婆ちゃんとこいるんだけど」 「マジー?じゃ、急いで帰るから上がって待ってろよ」 「ってか、迎え行こうか?バイクで来てるし」 たまには嬉しいこともあるもんだな。 最近、進路だ何だって鬱陶しいことばっかだったし。 タケが来たなら俺のテンションも上がるっつーの。