「パンだ」 「…………パンダ?」 お昼の時間。 パンを食べる黒崎くんを見つめる。 「パン、だよ。いつもパンだね」 「…あぁ」 「創のとこ母親しかいねぇから」 山下が弁当に入ったウインナーを食べながら言う。 「そうなんだ…」 「…あぁ」 私は悪いことを言っちゃったかなと少し反省した。 「美嘉ちゃん、早く食べて遊びに行こ」 一緒にお昼を食べてた友達に急かされる。 「あ、うん…ごめん」