春休みも部屋から出ない私の所に二人はよく様子を伺いに来てくれていた。



「美嘉、高校の入学式だけは行こう?」


「黒崎くんが高校に行けなくなった分、美嘉がちゃんと行ってあげないと…ね?」


二人の言葉をなんとなく聞く。



創ちゃんの分も…?


高校に行く気がないのに…。


創ちゃんがいないのに…。



「美嘉!」


山下が痺れを切らしたように名前を呼ぶ。



創ちゃん…。



そうだ、創ちゃん…。



「…山下」


「ん!?なんだ?」


私の顔を覗き込む山下を見上げる。