季節は秋になっていた。 紅葉も見頃の時期。 私は教室の窓に付いている手すりにもたれるように、空を眺めていた。 「…また、空見てるの?」 「うん…」 私と同じように空を見上げる山下。 「もう秋だね…」 「そうだな」 榊に別れを告げた日、私は山下にちゃんと気持ちを伝えた。 山下はただ「そっか…」と言って、私の頭を優しく撫でてくれた。 私は山下と愛美の優しさまでも無下にしている。