Voice〜彼の声〜




「…新しい恋、しようと思えた相手なんでしょ?」


何も答えない私の手を握り、目を見つめてくる。



そうだよ。


私は一歩、踏み出そうと思ったんだ。


創ちゃんを忘れるためじゃない。


創ちゃんのために幸せにならなきゃいけない。



私は新しい恋をするって決めたんだよ。



「………うん」


私は愛美の手を強く握り返し、心に決めた。