【短編集】砂糖をかけたみたいに









それから数日後、シェリンは継母に呼び出されて大広間へと向かいました。

大広間には派手な青のドレスに身を包んだ継母と赤のドレスを着た長女、黄色のドレスを着た次女がいました。

そう、今日は城で舞踏会が開かれる日なのでした。

「私たちは舞踏会に行くわ。あんたは家で大人しくしていなさい」

「ま、あんたには舞踏会に着ていけるものがないから大丈夫よ」

「さ、こんな子にかまっていないで行くわよ。あなたたち、王子に気に入られるのよ!」

長女、次女、継母が次々に話し、馬車へと乗り込んで行ってしまいました。








こんなのってないわ。

シェリンはぼろ布のようなスカートをぎゅっと握って唇を噛み締めました。

継母たちが着ていたドレスはどれもシェリンのお気に入りのものを直したものでした。

どうして、どうして、私の大切なものはあの人たちに奪われるの?

堪え切れずに彼女は泣き崩れてしまいました。








「どうしたの、シェリン?」





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