それでも片桐のことを嫌いにならないのは。 その肩が濡れていることを知っているからで。 あたしの肩は傘の中に収まっているからであり。 速く歩いていても振り返ってくれるからで。 すごく楽しそうに笑っているから。 知ってるんだよ。 .