【短編集】砂糖をかけたみたいに









あたしはあんまり、教室は好きじゃない。

桜宮くんの前では比較的話すけど、教室だと『物静かな子』になってる。

五月蝿い女子も、騒がしい男子も、関わるのが面倒。

自分と波長の合う子はなかなかいない。









一方、同じクラスの桜宮くん。

彼はクラスの中心的存在。

別にそんなに喋るわけでもない。けど彼の一言にみんなが反応する。

つまり、影響力が凄い。

彼と遊んだ子の噂なんてみんな知ってるしなー。

恐ろしいな、噂。









・・・ん?ちょっと待てよ?

毎日のように2人きりになってること、ばれたらヤバくない?

別に皆さんが期待してるようなことはしてないけど!

てかこんな地味子にそんなことがあるわけないけど!

・・・でも、万が一誤解されたら・・・。

ざぁっと血の気が引く。









でも、だからって魔王桜宮くんに逆らえるわけはなく。

桜宮くんとね、寝たって言いふらされるほうが怖いって!

女子の皆さんに袋叩きにされちゃう・・・!






結局、あたしは物理室に通い続けてる。

脅されるのとかもあるけど、気付いた。

桜宮くんと話すのは今までよりもずっとずっと楽しいんだ。

・・・同じくらいイラつくけどね!






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