「おい、これやるよ」

桜宮くんが手に持ってプラプラさせていたのは銀色の鍵。

「え?・・・いらない」

怪しい感じするし。

「は、無理。早く受け取って」

その発言こそ無理だし!

「それ一体何の鍵なの!?」

「物理室」

・・・物理室ってドコデスカ?

素直に首を傾げると、

「旧校舎の端にある空き教室。これは合鍵で、マスターキーは俺が持ってる」

だからやるよと鍵を投げられた。

受け取ろうと思ったんだけど運動は苦手だから落としてしまって慌ててしゃがむ。

鍵を拾って抗議しようと桜宮くんを見上げると

「じゃあ毎日昼にそこへ来い。拒否したら俺と寝たって言ってやるよ」

妖しい笑顔で言い放った。

ってかちょっと待ってよ!!どっちも無理!!!

階段を下っていく彼の背中に怒る。

「ちょっと待ってふざけないでよ無理に決まってんでしょー!!」

心の叫びは彼の笑い声にあしらわれた―――・・・。







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