唇を離すと熱い吐息が鼻にかかった。


「こんな気持ち初めて。
今まで他人の嫌なとこばっかり見えて、自分のことなんて理解してもらわなくてもいいって思ってたから。
でも今は、あかりちゃんに自分のこと認めてほしいって素直に思ってる」


ここまで正直になられると恥ずかしくなってしまう。
思わず言葉につまっていると、聖さんがまた変なことを言い出した。

「ねぇ…来年はほんとのサンタになれるようにがんばるね」


「それどういうこと…?」


「恋人がサンタクロースって歌、知らない?」


「あっ…」


時刻はもうすぐ0時をまわろうとしていたけど、聖なる夜にかけられた甘い魔法はまだとけそうになかった。


fin