「あの二人ね、もとは大学のクラスが同じで似た者同士で惹かれあってうまい具合に付き合い始めたんだって。
でも途中で就職とか考えるときになって、かおるくんが体のことでいろいろ悩んでたら精神のバランスがおかしくなっちゃってさ、それで涼子さんの手におえなくなっちゃって。
落ち着くまでは友達に戻ろうっていってしばらくそのままだったんだよね。

涼子さんは彼と別れてからちょっと遊びが激しくなったりしたけど、なんだかんだ二人ともそれから恋人作ってないみたいだし、いつか機会がないかなって思ってたんだけど…

今日あかりちゃんがいてくれたおかげで念願叶っちゃったね、ありがとう」


「そんなとんでもない…
あたしなんかいてよかったのかなって正直不安だったけど、それならよかった。
素敵なお友だちだね、あたし、もっとみなさんと仲良くなりたいな」


社交辞令でもなんでもない、心からの言葉だった。


「そんなふうに言ってくれてありがと」


そう言いながら聖さんはあたしの頭を撫でた。
なんとも言えないくすぐったい気持ち。