ミーーンミーン・・・

蝉の声が
一段とうるさくなる、7月の中旬。
夏の真昼、白のワンピースに
麦藁帽子をかぶって、
家を飛び出した。

自転車をこぎ出せば、
汗がたらりとにじむ。

大きな坂道を上って、
てっぺんから見えるのは・・。

【カキーーーンッ】

バットにボールがあたった、
甲高い音。

【ワァーーッ・・走れーーっ】

人々の歓声が大きく聞こえる。

首筋にたれる汗をぬぐい、
一気に坂道を駆け下りる。

校舎の前で自転車を止めて、
バックネット裏へまわる・・。

「あっ// たっ・・拓真!!」

「・・・?おぉっ^^渉。来てくれたんだっ☆」

そうやって、
いつも私の心をギュッとつかむのは、

【杉田 拓真】

野球部のエースで・・
..大好きな人..

「俺、次ピッチャーだから^^ちゃんと観とけよっ!」

私にデコピンをして
グラウンドへ走っていく。

触れられた部分が、
カァッと熱くなる。

キミを見つめる私を
おひさまが強く明るく照らしていた・・。