夜景がもっと綺麗に見れるとこって…展望台みたいなとこかと思ってた


カードキーで開いた部屋に入ると、かずまは照明をわざと落とす


「この方がきれいに見える」



そう言ってみる室内は180度のオーシャンビュー!!


いや、オーシャンじゃないけど……


こうゆうのなんていうの?


部屋が……

ガラス張り!!


「すごーい!」と駆け寄ってアタシは窓に張り付いた


足元までガラスでちょっと怖いくらい


「ここ何階?」

「38階」



「すごーーーーーーーい!!」




飽くことなく夜景を見て室内をウロウロ歩く


「展望台みたいなとこに連れてってくれるのかと思った」

「観光みたいに人の多いとこにわざわざ行くわけないだろ」


2人っきりの緊張を悟られないように口数が多くなる


「ね、あれ何?」
「見て、車が小さい」
「高速道路が空につづく道みた~い」
「ネオンって、遠めにみると、空から星が落ちてきたみたいだね!」



ひっきりなしに一人でしゃべってしまう


かずまが「ポエマーか」なんて突っ込んできて……


ふふって笑ってると


「ここなら何度でも連れてきてやるから」


なんて、また殺し文句


背後から腕がゆるく巻きついてくる

アタシの言葉も思考も止める甘い媚薬