「かずまは?

バイトなんかしなくても不自由してないじゃん」


「社会勉強」

「会社継ぐから?」

「それもある」


「将来が約束されてる分、周りの期待は想像以上だろうね」


アタシの言葉に目を丸くしたかずま


「まあね」とそっけなく返事して、頬杖をつきながらアタシを見つめるその姿は、

うん、かっこいい……


気づかない振りなんて無理


だって、目が離せなくなるくらい


かっこいいんだから……



次の言葉を発せずにいると、デザートが運ばれてきた


「わあ!」と思わず感嘆の声をあげてしまう


許容範囲以上の数を並べてもらって、一番端っこのチーズスフレにフォークをつきさす


「おいし」


思わず笑みがこぼれるほのかな甘さ

かずまは反対にデザートはたべないらしい

チーズスフレを一口分フォークに乗せると彼の口に近づけた




「デザートは、ちひろがいいんだけど」




そういって、パクッと食べた彼の姿を見たまま……脳がたくさんの「?」で緊急停止した

パチパチとまばたきだけをくりかえす



「はい??」