キレイな服


おニューの靴


テーブルに並べられたナイフとフォークの数々


何故か一人につき二つ三つも並んでるグラス


はじめてのフルコース


やっぱり……興奮しちゃって落ち着けません……!



アタシはまたぴょこんと体を起こすと、複雑な折り方をされたナフキンを手にとって静かに広げた



運ばれてくる趣向を凝らした料理

ノンアルコールのカクテル


外は段々と暗くなっていって

街の明かりが窓をデコレートする


夜景の見えるレストランでディナー



こんな休日の過ごし方

最高――――……!


胸がどうしようもなくドキドキして、熱に浮かされたみたいに頭が麻痺して、内臓がアタシの体から飛び出しちゃわないように必死でおさえつけた



空腹が少し満たされた頃、かずまがチラリとアタシに目をやる


「なんであの店で働いてんの?」

「ん?」


淡いピンクに炭酸の泡が弾けるカクテルグラスが照明を反射して白のテーブルクロスが揺れていた


「アタシね、高校生の時に両親とも同時に事故で死んじゃってさ」

「へえ」

「田舎から出てきた二人で、親戚づきあいもしてないし、近くに身内も住んでなかったから…その時同級生だったあこの親が親身になっていろいろしてくれて……」

かずまは一口水を飲んでアタシを見た