一体どこに向かってるんだろう

こんな格好じゃ外も歩けないし




車がどこかの建物に滑り込んでいく

減速した車が止まったのは、ベルボーイが立つホテルのエントランス


「え?」


エントランスのドアには三ツ星ランクホテルの名称がゴールドに輝いていて……


ベルボーイが車のドアをあけてくれるけど



アタシ


部屋着!!



こんな姿のまま外に出ることを戸惑っていることなどお構いなしのかずまがアタシの背中をぐいぐい押すから、車内から転げるように降り立った


アタシの姿を見たベルボーイも一瞬表情をかえたけど、わきまえたようにすぐそれを引っ込めてさりげなくアタシを直視しないようにしてくれている


堂々とエントランスドアをくぐっていくかずまに体を縮こまらせてついていく

せめて柱の影や、壁沿いを忍者のように隠れて進みたいけれど、吹き抜けの高い天井に見通しのいいフロアで360度ビューイング


すぐこちらに気づいた男性が寄ってきた

胸についたネームプレートには“chief”と書いてある


「これはこれは新田様ようこそいらっしゃいました

失礼ですがお連れ様は……」


ほら!

アタシ、不審がられてるから!!

どっかの野良猫拾ってきたって思われてるんだよ!!

恥ずかしいし!!



「ああ、この人に似合うもの、全部新調しようと思ってるから」



かずまは臆することなくそう言って、アタシの手を引いた




今、なんていった???