「……言い過ぎた」


「あ…あ…ううん、アタシも…ありがとう」


新田くんは感謝の言葉に困ったようにアタシの顔を見た

掴んだままの手に力が入っている

彼にこうして捕まっているのは、怖くない


時計の音だけが室内に響いて時間が気になった


着替えて、店に行かなきゃ……



「なんか……イラついて」



新田くんがゆっくりと口を開く



「なんか、こないだから、男に触られてんの見ると……むかつくんだけど」



…………え??



「パーティに連れてってもらうとか、言ってるし…」



前田さんの、話???


彼の真意が読めなくて、顔をあげると

細めた目に前髪が影をつくってなんだか切なそう

そんな視線に、目をそらせなくなる



その目


男のくせに透き通っていて



深海に飲み込まれるように、全身が動かない


心を読もうと視線同士が絡み合って、-------ほどけない