力のはいらない足を絡ませながら、新田くんに引かれるままついて歩く


早足すぎて、転びそう


それに……新田くんの背中は明らかに怒ってる



「な……なんで居場所が……???」


「城田に用事頼まれてるって言ってただろ」



ああ、そうだ……

……言っててよかった……



駐車場に向かってるのかと思いきや、校舎の奥へとどんどんと進んでいく


「あれ?車……」


もつれないように必死で足を前に運ぶ


見えてくるのは生徒会室



「生徒会室?

また小沢さんに怒られ……」



生徒会室に押し込まれると、今度は新田くんが内側から鍵をかけた


「これで小沢は入ってこない」


アタシは、キョトンとした目で小さくうなずく


アタシのカバンを近くの机の上に置いてくれる


さっきまで怒っていると思っていた姿が、今は氷のようにつめたい色を帯びていた


その冷たさが声に乗って、地を這ってくる



「何された?」

「何も」

「うそつくな」

「うそじゃない」


新田くんが一歩寄ってくる

そしてアタシは一歩後ずさった