至近距離すぎて息をつめるから、苦しい…………






更に机の上のモノをわざと落とすように暴れた

顔を押さえる両手の力がゆるまらない、口が触れる……!!


「騒がないで」


と脅迫まがいの言葉をくちびるを掠める距離で吹き込まれて、背中が凍るような冷気を感じた

騒がないでって、何、どういうこと


ふっと体が強張って動かなくなる



嫌悪が恐怖にかわって動かなくなったのをいいことにあわさっていく唇





抵抗をやめてもアタシを押さえつける力は揺るがない


火事場のバカ力とかいうけど、それは自分が死を覚悟したときだ……


今大声を出したら?

今城田先生を殴ったら???



そうしなくてはと思うのに、声も手もかたまって出ない



冷や汗がアタシの体温をどんどん放出するのを感じていると、ドアをノックする音が聞こえた




コンコン

コンコン



時が動き出したようにアタシは体をビクつかせた

だけど、城田先生は一瞬離れただけでまたすぐに口を塞いでくる


まるでアタシに声を出させないかのようで……



ノックすると同時にドアノブをガチャガチャとまわす音



……鍵、かかってる