ああ……


これは、不機嫌炸裂だわ


ま、がんばれちひろ



「……かずま!

大丈夫だった??」



ちひろはかずまの腕に両手を添えて顔を覗き込んだ


「不愉快」

「え?」

「不愉快」

「え?」


かずまはちひろの顔を片手で挟むと、「ふ・ゆ・か・い」と低い声ではっきりとそう言った

「……え?」




みてるこっちまで冷や汗がでそうになる



廊下の角の向こう側からバイト仲間の店員が恐る恐る顔を出す


「長瀬くん……トラブル??」

「あ、いや、えっと、ここの部屋の客はキャンセルで!!」


「え?キャンセル?」

「なんか用事があるって、帰ったみたいなんで」

「……ええ?……あ、そう」


店員が不審な表情で首をかしげながら去っていくのを見て、あこさんはルリちゃんとその友達をもともとかずま達が居た部屋へといざなった



「あんた達も、とにかく戻ろ」


とあこさんに言われたかずまとちひろも歩き出す


みんなが部屋に入って最後に俺が入ると、あこさんの目がこちらを向いた


「温かい飲み物を全員分持ってきてくれない?」

「え?なんで俺が」

「ここの従業員でしょ?」


……有無を言わせない迫力に押されて、俺はしぶしぶ入ったばかりの部屋をすぐに出た