平日、カラオケ屋のバイトを入れてない時意外はルリちゃんと帰る約束をしてたのに


なにかと理由をつけて断られている




…………気がする




確信したのは、移動教室でクラスの女子数人と一緒に歩いてた時



「最近お前、男できたらしーなー

香水変えただろ、男の趣味??」


なんて、冷やかしてたらすれ違った一年生の女の視線を感じた


……そういや、ルリちゃんがこの子とよく一緒にいるの見かけるな


と思ったのも一瞬、あからさまに不愉快そうな顔をされてツンとそっぽむかれた



あ~~~、俺……なんかしたっぽい

何だろ、と思考をめぐらせても思いつくことは一つもない




考えても仕方ねっか……






放課後、生徒会室の前で廊下にカバンを置いてその上にあぐらで座るとマンガを読みながら打ち合わせが終わるのを待っていた


引継ぎ……とやらで最近やたら生徒会の集まりの回数が多い

中からかずまやら小沢やらの声が聞こえてきて、しばらくするとドアが開いて帰り支度をした奴らがざわざわと出てきた


続いて小沢が出てくると、俺の姿を見て嫌そうな顔をする


「最近の若者はほんっとどこでも自分の部屋みたいに座るんだから

すぐ足腰が弱くなんのよ」

「なんだよ、お前俺の腰の強さ知ってんのかよ」

「知りたくもないわ」


と言い捨てると視線をそらされる


その小沢の背後をホワイトボードのマーカーを持ったルリちゃんが現れた

意味ありげな眼差しを数秒受け止めたけど、すぐにまた姿を消してしまう


立ち上がってマンガをかばんにしまいこむと、ドアに数歩寄る





「新田先輩」……とかずまを呼ぶルリちゃんの声