「デザート、全部お前の」

「え?かずまは一つも食べないの?」

「俺のデザートは、ちひろだから」


恥ずかしくなって、照れ隠しにフルーツを口に入れてかずまの方を見ないようにモグモグしてると、横からかすかな笑い声


……悔しい

少しだけ隣を見ると、声を出さないように笑ってる


でも……その余裕な顔に、キス……したい

どうしても、今



椅子を少し引いて足をのばしてくつろぎ体勢のかずまのひざに両手を置いて身を乗り出した



「味見、する?」

体を起こしてアタシを見下ろす伏せられた目に全身の力を奪われた


人差し指であごを持ち上げられると近づいてくる顔


かっこいい……


自分から近づいたくせに、もうキャパオーバーな心臓の鼓動


かずまのひざに置く手に力が入る


鼻先が触れるほどの距離にまで近づくと、アタシはこらえきれずに目を閉じた


下唇を舐められる感触のあと、軽く唇が重なる

すぐに離れちゃいそうなかずまを追いかけると、それに応えるように少し荒くなるキス



離れないで

もっと





「味見だけで済みそうにない」

という声と共にアタシの背中にかずまの腕がまわって、首に顔を埋めてくる


アタシより大人びてるくせに、たまにこうしてものすごく子供みたいになっちゃうの


「……やめないで、もっと」


そう言うと、かずまの動きが止まった


あれ?……電池切れ??


かずまが首から顔を離すと、アタシの顔を確かめるようにじっと見つめてくる


「……お前こわい」