「早く来い」


床を見つめていた視線をあげるとかずまが玄関で振り返ってる


「連れてって……くれるの?」

「当たり前だろ」


アタシはあわててバッグとケータイを持つと玄関へ向かった



いつもの大きな外車に乗り込むと、景色が流れ出す


「まだ、怒ってる?」



暮れていく空の色に焦燥感

これから過ごせる素敵な時間に胸を躍らせてるだけじゃ済まない空気


「別に」

そう答える声は明らかにいつもと違う


アタシは少しだけかずまとの距離を詰めた


「あの日、全身かずまに選んでもらったの……着てきたよ?」


かずまの横目がアタシの体を捕らえる


「……あんなこと言って、ごめんね」


そう言うと、かずまの腕がアタシの背中とシートの間を割り込んできて、腰に添えられると強く引き寄せられた



「今日こそ見せてもらうから」



この流れで言われると……


ダメ、って言えないよ


恥ずかしくて、かずまの顔を見れなくて


アタシはかずまの首におでこをくっつけるように顔を隠した