「過去のこと責められてもどうしようもねーし」

「でも……っっ!」

「あー、はいはい、ああもう、言わなきゃ良かった」



何、それ



「実習が終わったらいなくなるからって、退屈しのぎにアタシをからかってる?」


一言発すると、次から次へと口から出てくる


「人形みたいに着せ替えて、豪華な食事でドキドキしてるアタシを見て内心笑ってるんでしょ」


アタシの言葉をかずまの低い声が遮る


「なんでそうなるんだ」


それでもアタシの言いたい事が止まらない


「普通は、……普通は、“何回かした”なんて体だけの関係宣言なんか好きな相手にはしないよ

それって、お前もそうなるけどねって言ってるもんじゃん!

それに、そんな発言に傷ついてる相手に向かって“めんどくさい”なんて言わない!

アタシのことなんてその程度にしか思ってないからそんな事言えるの



アタシはかずまのおもちゃにならないから!!



体だけの関係なんて



絶対やだ!!!!!」




信号が赤になって車を止めた


一気にまくしたててちょっと息があがる


ハンドルを痛いほど握り締めていたことに気がついて、ふぅっと息を吐くと力をゆるめた