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一条と梓が女子の餌食になっている間、あたしは杏莉と話していた。



「優雅さん、俺、屋上に用があるんだ。まだ場所が分からなくて、悪いけど…案内してもらえるかな?」



いきなりで『えっ。あたし?』と言ってしまったが、

こいつは

この状況から逃げたいんだなと確信した。


あたしは立ち上がって、一条の方へと近づいていく。

周りにいる女子からかなり睨まれている。


『じゃあ一条くん。着いてきて。』

とあたしもこの場から逃げるように、軽く引っ張って行った。