話を聞いていた杏莉は号泣してもう声が枯れている。
「なんで相談して来なかったのさ……!!私達どんなに心配したと思ってるの!?茜ひどいよ………」
『………ごめんなさい。でもあたしも蓮の幸せを優先したかったんだよ………これ以上傷を負った人生を送ってほしくないんだよ……』
ちがう…… と首を横に振る杏莉……。
「蓮は茜がいなかったら幸せになれないんだよ…。蓮の幸せが茜の幸せのように、茜の幸せが蓮の幸せなんだよ………。」
あたしの幸せが蓮の幸せ………
『でも………』
「茜、でもじゃないよ。男1人の脅しで壊れるような2人だったら何も言わない。でも私は茜と蓮の絆の深さを知ってるから。」
だんだん涙腺が緩んでくる………
『あ………あり……あり……がとう……っ』
杏莉に抱き付いて、ありがとうの言葉を繰り返す。
杏莉の言葉で気付いた。
あたしは金井の脅しで折れるやわな女じゃない。
なんで気付かなかったんだろう………。