そうだ、仮にこの時代で俺の死体が上がったとしても、所持品は無い、指紋も歯型も、この時代には存在しないんだったな。つまり、身元不明の死体として処理されるから安心だったはずだ。 まあ、他殺の疑いがあったとしても、俺がどこの誰だかなんてことがわからないのだから、それ以上の進展はないだろう。他殺の線が消えれば、警察は事故か自殺と処理して終わりだろう。 いい考えだ。 雄二は立ち上がって、手すりに手をかけた。 いい風だ。夜景も綺麗だな。 絵里ゴメンな。 雄二は手すりに足をかけた。