途中、自販機で飲み物を買った。雄二は何も考えずに100円硬貨を2枚入れた。缶ジュースのボタンを押すとガランと飲み物が出てきた。同時にチャリンと下のほうで音がした。前かがみになり、人差し指を返却口に突っ込んで100円硬貨を取り出す。「忘れてたよ」と呟く雄二の顔から、力の無い笑みがもれた。
コンビニの雑誌はどれもこれも1985年、昭和60年発行のものだった。漫画も雄二が学生時代によく読んでいたものだったし、表紙をこちらに向けて並んでいた雑誌はどれも、雄二の青春時代に活躍していたアイドルばかりが表紙を飾っていた。
「俺が本当に1985年の世界にいるんだとしたら当然だよな・・・」雄二は独り言をつぶやいた。
公園内のベンチに着くと、雄二はそのままドカっと深く腰を下ろし、大きく息を吐いた。
そして夜空を見上げながら、この僅かな時間を振り返った。
警察官が着ていた制服が違っていた。公衆電話の色が黄色だった。自販機の広告は読売巨人軍でも原、中畑などが写っていた。それだけではない、携帯は圏外だったし、都庁も無かった。
そうした違和感を確かめるべくコンビニに入ると、抱いていた不安は全て現実となった。
良く出来た映画のオープンセットはこんな感じなのだろうか、という気さえした。実際そうであってほしかった。
コンビニの雑誌はどれもこれも1985年、昭和60年発行のものだった。漫画も雄二が学生時代によく読んでいたものだったし、表紙をこちらに向けて並んでいた雑誌はどれも、雄二の青春時代に活躍していたアイドルばかりが表紙を飾っていた。
「俺が本当に1985年の世界にいるんだとしたら当然だよな・・・」雄二は独り言をつぶやいた。
公園内のベンチに着くと、雄二はそのままドカっと深く腰を下ろし、大きく息を吐いた。
そして夜空を見上げながら、この僅かな時間を振り返った。
警察官が着ていた制服が違っていた。公衆電話の色が黄色だった。自販機の広告は読売巨人軍でも原、中畑などが写っていた。それだけではない、携帯は圏外だったし、都庁も無かった。
そうした違和感を確かめるべくコンビニに入ると、抱いていた不安は全て現実となった。
良く出来た映画のオープンセットはこんな感じなのだろうか、という気さえした。実際そうであってほしかった。
