「…ありがと、ね。助けてもらっちゃって」 助けたと言ってもぶつかってバランスの崩れた彼女を支えただけだけど。 「いや、それはいいんだけどさ……どうして泣いてたの?」 俺はどうしてもあの時の涙を浮かべた彼女の姿が忘れられなくて聞いてみることにした。 「あぁ…あの時は私、ある人に自分の夢のことを話したら反対されちゃって、悔しくって涙が出ちゃって…」 情けないなっと言って俺の聞いたことに迷いもなく話してくれた彼女。 俺たち名前も知らない他人なのに。