自分の一番好きな人が自分のことを一番好きで。

大切にしたいと思っている人が自分のことを大切にしてくれる。





そんな“想い、想われるしあわせ”をあたしは知らない。


あたしの気持ちは…いつも一方通行で、藤堂センパイには届かない。









だから……、

伊織が羨ましい。








そんな羨望の気持ちを込めて扉の向こうを見つめていると。






「……ふぅ~~~ん。」






部長さんは考え込むようにアゴに右手を添えて。

私の目をジイ~ッと見つめ、私の顔を下から覗きこんだ。







な、な、なに!!!!!!

この人!!!!!!!