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医務室の扉を後ろ手で締めると






「随分…余裕なんスね。」





ふてぶてしく可愛い気のカケラもない言葉をぶつけられた。






この可愛くないセリフの主は…


廊下の壁に上半身をもたれさせながら、
腕組みをして俺を睨みつける藤堂。








「別に?余裕なんてどこにもないよ?」






フッと笑って答えると





「随分、お人好しすぎやしませんか?」


「なにが?」


「何でアイツの手を放したんですか。
極悪非道で唯我独尊な部長には似合わない行動ですよね。」






試すように

探るように

冷静な瞳をして藤堂が俺を見つめる。











――藤堂は…大人になった。











素直にそう思う。