な…に言ってるの?

桐谷慎の言ってるイミがわからない。





「そんなこと…するわけないでしょ!!??」






力の限り叫ぶと







彼は力なく笑って



「そう…願うよ。」



医務室の扉に手をかけた。










私には背をむけて
彼の表情は何一つ見えない。




だけど…私と距離を置くことは動かすことのできない彼の決定事項なのだと…、
動かない頭でも理解ができた。







「私を…捨てるの…?」


「違うよ。」


「私が…しゅーちゃんを選ぶと思ってる?」


「…うん…、少しね。」


「私を…信じてくれないの…??」






そう問いかけると。
彼はフッと笑って“まさか”と呟く。






「信じてるから。
愛してるから、この手を放すんだよ。」








そう言って、一度も振り返ることなく。
彼は医務室を後にした。