抱きしめられた桐谷慎の腕の中
ほのかに香るHappyの甘いシトラスの香り。




「桐谷…慎…?」


「できると思ったんだけどな…。
高宮、俺は意外とオマエにハマッているらしい。」


「…はっ??」







ポツリと呟いた桐谷慎の一言。









い、意外とって失礼じゃない…??






“イブより好き”


とか


“高宮と一緒に未来を見たい”



とか。






早坂さんの前では歯の浮くようなセリフをバンバン言ってたクセに『意外と』って…。




アンタね、
失礼すぎるでしょーがっ!!!!









「桐谷慎って…ムカつく。」








ブスッとしながら彼の背中をペシンと叩くと、



「今頃気づいたの?」




ヤツはどこ吹く風で、気にもせずにフフッと笑う。