「だから…、ホントはこんなこと教えてなんてやりたくもないし気づかせてやりたくもないんだけどね~。 アイツには龍の件で借りがあるからな。」 「……え??」 「それに… 自分の気持ちを騙して、誤魔化して側にいられるのは趣味じゃない。」 ―強い瞳。 自信たっぷりで 信念があって 揺らがない意志のある桐谷慎の強い瞳。 その瞳が一瞬、暗い影を落とした、その後。 「高宮…、藤堂と俺。 高宮が本当に欲しいのはどっちなの。」 冷たく暗い、冷ややかな声で。 桐谷慎は私に静かに問いかけた。