これは私の心が狭いからなのかな。

私がワガママだからなのかな。








言えそうにない。




おめでとう、だなんて

よかったね、だなんて





そんな当たり前の言葉が…悲しくて、寂しくて、言えそうにない。









そんな言葉を使ってしまったら、本当に遠くにしゅーちゃんが行ってしまう気がした。





私は…
この現実を受け止めきれる用意が出来ていなかったんだ。










「ちぇっ。こんなことなら藤堂係長を誘惑しとけばよかった。」


「なにそれ。玉の輿ねらい?」


「そっ。出世コース間違いなしなら玉の輿も間違いなしじゃん。」


「バーカ。係長には婚約者いるんだよ??
アンタにゃ無理よ。」









―…あ……。









そうだ…

しゅーちゃんには水島さんっていう婚約者がいるんだった。