「龍……。」





早坂さんの変わりように驚いたのは私だけではなかったらしく。


桐谷慎までもが目を丸くしながら彼を見つめる。









そんな桐谷慎を見てフッと笑うと


「慎、お前のことはまだ許せそうにないし、俺はイブを忘れられそうにもないわ。」



早坂さんはそう言ってウーンと伸びをすると、ゆっくりと立ち上がる。






そして桐谷慎の瞳をまっすぐに見つめると



「だけど…、藤堂くんの言葉にグッときた。彼の素直で大きな愛に…魅せられた。

だから…
藤堂くんに免じて今回は許してやるよ。」



そう言って。
早坂さんは桐谷慎の前に自分の右手を差し出した。









???









不可解そうに眉間にシワを寄せる桐谷慎。

そんな彼を見て早坂さんは“バーカ”笑う。






「仲直りには…握手だろ?慎。」


「…龍……。」


「バーカ、グズグズすんじゃねーよ。仲直りすんの?しねーの?」