「俺もね、10年近くホンキの片想いしてますから。」




そう言って、しゅーちゃんはマジメな顔して私の瞳をじっと見つめる。



そして…

フッと笑って視線を早坂さんに戻すと



「1年片想いしてやっと付き合えて。幸せの絶頂~って時に俺がバカなコトして傷つけて、それが原因で別れて。
忘れなきゃ忘れなきゃと思うのに。時間だけはどんどん経つのに。
何でだか、アイツへの気持ちは全く色褪せてくれないんスよね~…。」






―しゅーちゃん……。






“はぁ~”とため息を吐きながら、しゅーちゃんは私の知らない空白の時間を語りはじめる。







「あん時はキツかったですよ~。周りの流れに自分だけ取り残されてるみたいで。
忘れなきゃと思うのにアイツからもらったメールは消せねぇし、手紙とか写真とか捨てらんねぇ。

アイツがくれた黄色のクマを見るたびに…、別れる原因を作った自分を恨みました。」