冷静な桐谷慎と激情する早坂さん。


目の前の二人を見ていると、私には過去と現在が戦っているようにも見えるんだ。








イブの死を乗り越えて…
今を生きようとする桐谷慎





イブの死を過去になんてするハズもなく…

未だに愛するイブの隣で、過去の美しい思い出と彼女を失った焦燥感を背負いながら今を生きる早坂さん。









―10年。


口で言うのは簡単だけど10年もの間、二人は彼女の死に苦しめられている。








早坂さんが言ったあの言葉。





『男は簡単に愛する女を忘れられない』








あれは…

もしかしたら自分自身のことなんじゃないのかな。


桐谷慎に置き換えて自分の今の気持ちを吐き出したんじゃないのかな。






なんとなく…

そう思った。