「大体、部長は節操がなさすぎなんですよ!!」
「だからゴメンって~…。」
「ゴメンで済まないですよ!!大体、渋谷でキスしてた時も………!!」
さっきと変わらず桐谷慎に絡んでイチャモンつけてるしゅーちゃんに。
堪忍袋の緒が切れて
「しゅーちゃん!!ちょっと黙って!!」
キッと睨み付けるとしゅーちゃんの体がビクッと震える。
「桐谷慎!!
アンタは早坂さんに言いたいことがあんでしょ!?ちゃんと伝えなさいよ。アンタの気持ちの全部をを早坂さんにぶつけなさいよ!!!!」
今じゃないときっと言えない。
言いたくても言えなかった、心の奥底の本当の気持ち。
絡まる糸のようにこんがらがって、ぐちゃぐちゃになって、行き違い、すれ違った心と想い。
どんな結果に終わろうとも、こんなチャンスはきっと二度と起きない。
桐谷慎。
失敗はしてもいいけど後悔だけはしちゃダメだよ。
そんな気持ちをこめて。
私は桐谷慎の瞳をキッと睨んだ。



