「バカァっ!!遅いよ!!」





桐谷慎の、のほほんとした姿を見ると緊張の糸がプツンと切れて。

両目から勢いよく涙がブワッと溢れ出てきた。









「はいはい。俺にもいろいろあったのよ、高宮。
でも、もう大丈夫だからね~♪」








桐谷慎はしゅーちゃんの両目を塞いだまんまニッコリと私に笑いかける。





そんな桐谷慎を見てニッと笑うと


「ふーん、お前にしては遅かったんじゃねーの?
カンが鈍ったか?慎。」



私の胸の膨らみに唇をつけながら早坂さんが桐谷慎を挑発する。








だけど桐谷慎は眉一つ動かさずに


「まっね。
こっちにもいろいろと準備があってさ。」



と、早坂さんの挑発をかわす。









「ふーん。大事なカノジョを放置しといて?」



「うん。
だってノコノコと龍の前に行った所で、叩きのめされるのがオチでしょ?
俺、負ける勝負は仕掛けないから。」