確かに… 桐谷慎にはそういう所があるかもしれない。 不必要に自分のテリトリーの中に人を入らせないあの感じも、 内面には踏み込ませずに自分の表面だけしか見せないようなあの感じも。 全部、自分に深入りさせない為。 自分が深入りしない為だと思えば納得がいく。 『うーん』と納得しながら早坂さんの言葉を噛みしめてると。 「だけど… キミみたいに逞しい女が側にいて。 自分のコトを誰よりも愛してくれればアイツはそれだけで安心するだろうね。」 早坂さんはフッと優しい顔をして。 私の顔を覗きこんだ。